新製品開発・モノづくり革新・知的財産活用・技術系人材育成


こんな課題をサポート

新製品開発、モノづくり革新、知的財産活用、技術系人材の育成など、強みを最大限活かす具体策を経営者の考えを大切にし客観的視点から提案します。

ミッション

BtoBを主体とする中間材料メーカーで製品開発、品質保証、知的財産など最前線で経験し、その後経営大学院(MBA)にて学び直しました。

ブログ&ギャラリー

変化の激しい社会環境のなかで中小製造業の経営者が日々行っている意思判断の参考になる話題を提供します。自社の持続的な成長をめざしチャレンジするための意見交換の場として、是非、頁を開いてみてください。



今回は人手不足のなかDX化によって生産性を向上させよ、と言われることが多い中小製造業にとっての生成AI活用の課題について触れてみたい。

私事ではありますが、このWebサイトを立ち上げるにあたり、外部委託をせず自分で制作を行っています。外注すれば制作費がかさみ、サイト開設後のメンテナンスにもコストがかかるので、経費節約が第1の目的です。

もう一点は、外注費のコスパが適切なのか判断するためにはどうしても経験知がベースになります。ブログやホームページの制作と運用が簡単なものか、それとも一定の専門学習が必要なのか、そのWebサイトの出来上りに応じた制作負荷の関係を知りたいと考えたためです。

幸か不幸か私はITリテラシーが高いと言えない65歳のシニア層に属しています。その難易度を自分で制作してみればプロセスの難易度を測るサンプルとして相応しいと思ったからです。

結果は、このサイトを訪れてくれた皆さんにサイトの出来栄えを評価してもらえると有りがたいのですが、何とかホームページの体裁はできている。しかし、Webサイトの制作プロセスを少しでも知っている方が見ると拙い作業個所が至る所に見られ初心者丸出しの画面と映るでしょう。

現在のWebサイト作成は、すでに出来上がった多数のテンプレート(テーマと呼ばれている)の中から気に入ったものを選び、自分のサイトで使用する画像や文章などを貼付けるだけでほぼ完成します。制作に取り組む最初のハードルは非常に低い作業対象と言えます。レンタルサーバーとドメインの取得を済ますと制作ソフトもその日から作業可能です。

しかし、Webサイトの優劣が事業成果にも影響するような事業では単に形だけのサイトでは弱みとなってしまいます。

Webサイトの管理を外注に委託しているケースであっても、サービスが充実している制作会社であればサイト運用を代行するなかでサイト訪問顧客の調査を行いながら集客効果の高い内容で改善し事業貢献の度合いを高めてくれるでしょう。

そのため専門性を駆使して競争優位を生むことはプロの仕事という位置付けでした。職人が使いこなすツールをマスターするまでの時間およびそのツールを駆使し最適解を導く作業負荷の両方に時間がかかっていました。

そのため、Webサイト制作とその最適運用のような仕事はデザイナーやコーディングの専門家が活躍する分野で、そのノウハウを活用することは外部委託スタイルで行うことが一般的でした。しかし、生成AIが普及することにより、ウェブサイト制作や運用の専門知識を持たなくても、自社に合ったサイトを簡単に作成し、運用できるようになります。

Webサイトに求めることが明確であれば、その先の制作や最適化、運用段階でもレベルアップなどはその企業にカスタマイズしたサイト制作のプロセスを生成AIが指南してくれます。

電子取引などWebサイトのクォリティが事業成果へ直結するような業種ではすでに業務に幅広く活用が始まっています。

Open AIがChat-GPT 3.5をリリースして以降、1年余りで世界中の企業の業務活動に広く浸透してきました。しかし、製造業の現場では今でも何をどう活用したらよいのか具体的なイメージが湧かないと感じることもあるようです。

生成AIの活用の大きな意味は、まず長い時間を掛けてこれまで蓄積した専門的なナレッジを、経験知の少ない者が容易に活用可能となる点です。

例えば、工場で品質トラブルを削減するための品質改善活動を想定すると生産実績から品質データを統計処理し現状の実力と目標値を設定し改善計画を立てていきます。

工場メンバーのなかに統計処理を学び、品質管理への適用に精通した者がいればよいのですが、いなければ人材育成から始めなければなりません。データの取扱と分析能力、管理図など動態チェック機能、相関分析など因果関係の判断、寿命や故障率など信頼性工学をベースにした設計知識など、工場では原理だけでなく応用力も含めた実践能力が求められます。そのため、品質管理の指南役にはスキルアップの負荷がかかり一般の製造ラインのメンバーがマスターするにはハードルが高いと考えられます。

しかし、生成AIを活用すると職場メンバーのレベルにあわせ現状課題を探りながら改善ポイントの方針づけまで導いてくれます。現場課題と理論の整理に時間を要し目的とする実行アクションを決めるまでに疲れてしまうようなことはなくなるでしょう。

もう一つは、生成AIの活用は初期投資のコストが小さいのも特長です。目的や業種、業務内容を問わず基本的なITリテラシーがあれば、特別な技術を持たない従業員でも簡単に生成AIを利用できます。また、爆発的に普及がすすんでいる過程ですから、今後もパフォーマンスは上がっていくと期待できます。

例えば、外国人雇用により現場のコミュニケーション課題で苦労されているマネジャーの方にとって、生成AIの持つ逐次通訳・文字起こし、画像検索・画像生成などの機能は現場で活かせる機会が多く存在します。目先の現場課題を解消することが人材確保にもつながるかもしれません。

生成AIの活用は大企業であっても個人事業であっても活用の前提条件に差が出にくいツールであることを意識すべきです。自社にとって役立つ利便性を見つけ、他社に先行して活用をすすめることが大切です。

また、経営者にとっては意思決定の判断の助言を得ることも可能です。

例えば、私が過去に携わった品質保証部門のミーティングでは品質トラブルの優先順位を決める際に、トラブル事例を具体的に対応した経験者はその課題対策をリスク上位にあげる傾向が顕著でした。また、時系列で見たとき最近のトラブル事例ほど対策優先度が高くなる傾向が見られました。

人間は何かの方針を決定する際、どうしても課題選択にバイアスがかかります。これは生き物として避けられない本能と言えるかもしれませんが、経営の判断指標など全体最適の視点から参考意見がほしいとき、膨大なデータを平等に扱い客観的に課題項目を提示する生成AIは客観的な意思決定をサポートするために有効です。

輻輳する多くのバラメータが関係する課題ほど、客観性を持った判断材料の洗い出しが難しくなります。中小企業経営者には、現場を直視し3現主義でミクロな事象を解析する目と会社全体を俯瞰する鳥の目の両方を駆使することが要求されます。もし、生成AI活用について未検討の方がおられたら、まず無料で利用できるツールを試し簡単なタスクから取り入れてみることをお勧めします。

具体的な実行段階でお困りのことがあれば相談ください。本屋に並ぶ生成AIの活用本はまだまだ生成AIそのものの説明に留まっているものが多数です。経営者の視点に立って企業の目的に応じた実行案を提案させていただきます。

ここまで読んでいただき有難うございます。こんな感じで同ブログ欄では、社会変化の瞬間をどう捉えるか、について考えていきます。教科書的な解説や優等生の模範解答は生成AIのもっとも得意とするところです。ここでは偏見を交えた自分なりの考えを加え、現場の視点も意識して記述をしてみたいと考えています。ひとつの現象も視点を変えると見えてくる課題が異なるということはよくあることです。是非、みなさんからのご意見、ご問合せをお待ちしております。

正田位守

PAGE TOP